帝国データバンクとは?
企業が事業取引を行っていくうえで、事前の信用調査は非常に大切です。
その際、最も利用すると言っても過言ではないのが日本最大級の企業データベースを持つ「帝国データバンク」です。
しかし、帝国データバンクの名前は聞いたことがあっても、どのような情報が得られるのか、有料部分の情報はどのようなものなのかまでを理解できている人は多くありません。
そこで本記事では、帝国データバンクの概要からどのような情報が得られるかまでを解説していきます。
- 1.帝国データバンクとは
- 1-1.信用調査にかかる料金は
- 1-2.帝国データバンクで得られる情報
- 2.まとめ
帝国データバンクとは
帝国データバンクは、1900年に創業した日本でトップシェアを誇る信用調査会社です。
企業の基本情報はもちろんのこと、売上高や利益水準などの企業信用情報まで検索できます。
帝国データバンクにおける信用調査のシェア率は60%となっており、日本全国の企業を対象としています。
さらに国外の信用調査会社とも提携しているため、海外での企業調査にも対応できるのが大きな強みです。
高いシェア率の理由は、信用度の高いデータを扱っていることが挙げられます。
同社では全国に83ヶ所の事業所、約1,700人もの調査スタッフが駐在しており、この調査スタッフが実際に自らの足で対象企業の現地に赴き、目で確認して情報収集を行っています。
そのため現地でしか得られない情報が掲載されており、信用度が非常に高いのです。
調査項目は企業ごとに100項目程度にまとめられており、健全な経営活動が行われているか、支払い能力に問題はないかなどの基準を数値化し、評点として算出しています。
信用調査にかかる料金は
帝国データバンクの信用調査にかかる料金は、概ね以下の通りです。
2ヶ月未満の調査データ | 2ヶ月以上の調査データ | |
---|---|---|
現金精算 | 30,000円 | 15,000~24,000円 |
チケット | 15,000円 | 7,500~12,000円 ※新規調査が必要な場合、付帯料金が加算 |
料金体系は幅広く、現金精算を行う場合と帝国データバンク独自のチケットを活用する支払い方法によって料金が異なります。
チケットは帝国データバンクの調査会員に加盟することが条件となり、加盟料が必要です。加盟料も12万円~225万円/年と幅広い設定がされています。
加盟は年間契約になるため、自社が1年間で何件の信用調査を行うかを事前に洗い出さなければ、大きなコスト負担になってしまいます。
概ね年間で5件以上の信用調査を行うのであれば、調査会員になるのがお得になりますが、事前に費用と調査件数を押さえたうえで活用してください。
帝国データバンクで得られる情報
帝国データバンクは無料で得られる情報と前章で解説した通り、有料部分のみ得られる情報があります。
それぞれの情報は以下の通りです。
- ・企業情報の概要
- ・インターネット決算公告・企業PR情報
有料で得られる情報
- ・帝国データバンクによる評点
- ・業歴
- ・規模
- ・資本構成
- ・損益
- ・資産状況
- ・経営者情報
- ・企業活力
無料の情報では、企業情報の概要である称号や住所などを得られます。
さらに概要としての情報は海外支社や関連会社などをまとめて入手できるため、検索する手間などがかからないのがメリットです。
さらに決算公告やPR情報を帝国データバンクに掲載している企業であれば、無料での閲覧が可能です。
市場や業界の動向を把握するのに役立ちます。
有料部分ではより細部まで企業の情報を得られます。
業歴や資本構成などの「定量評価」と、経営者情報や企業活力など数値では表しにくい「定性評価」を合わせて100点満点で算出された評点を知ることが可能です。
評点が86点以上であればAランク、35点以下であればEランクなど、得点によってランクが分けられ、客観的に数値化された企業情報を確認できます。
なお、帝国データバンクでは定性評価に重点を置いて評価する傾向があり、配点についても定量評価の項目よりも定性評価の項目が高く設定されています。
そのため、評点のランクが低いから悪い企業であるという評価はできません。
たとえば立ち上げから2年しか経っていないベンチャー企業がDランクだったとします。
ベンチャー企業であれば、「業歴」や「規模」などの項目は低い評価にならざるを得ません。
しかし「経営者」や「企業活力」などの項目が高い評価を得ていれば、今後の成長が期待できるとも読み取れます。
つまり帝国データバンクで得られる情報の”どの部分”を重視するかを、自社として固めておかなければ評価を誤ってしまう可能性があります。
まとめ
帝国データバンクはシェア率も高く、信頼性のある企業情報を提供しています。
無料から有料の情報まで、企業情報や業界の動向を幅広く入手できることは、自社の営業戦略や経営判断などに有効的に活用できます。
しかし、帝国データバンクの評点を過信するのはよくありません。
自社として帝国データバンクからの情報をどのように活用していくか、どの情報を重視していくかを決めておくことが大切です。
情報を適切に読み取り、多角的な判断ができるよう努めてみてください。